ARTICLE テイコク健康推進課

【PM2.5がもたらす健康被害】花粉症とは違う2月~5月のアレルギー症状の悪化に要注意

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【PM2.5がもたらす健康被害】花粉症とは違う2月~5月のアレルギー症状の悪化に要注意
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

2月~5月の時期に「花粉症のような症状」「のどの痛みを伴う咳」といった症状が出てきているのは、中国大陸から偏西風に乗って日本にやってくるPM2.5が原因かもしれません。

そして、花粉症や黄砂アレルギーの人がPM2.5によって症状が悪化している可能性もあります。

PM2.5は非常に細かい粒子なので呼吸によって肺の奥まで入り込み、呼吸器疾患や循環器疾患、肺がんなど健康被害をもたらす有害物質です。
そして、現在PM2.5が引き起こす症状はまさに日本が過去に悲劇をもたらした公害病の1つである「四日市ぜんそく」と同じです。

そこで今回は、PM2.5の具体的な症状についてご説明します。

花粉症や黄砂アレルギーに似ているPM2.5の症状について

PM2.5の症状

PM2.5が体内に入ると色々な症状を引き起こします。

この症状は同じ春先に発症する、花粉症や黄砂アレルギーと似ている所があるので比較してみましょう。

原因 PM2.5原因 花粉 黄砂
主な症状 ★長引く咳や明け方にひどくなる咳(喘息)
★咳・のどの痛み(気管支炎)
★胸の痛み(心筋梗塞)
★くしゃみ
★鼻水
★鼻づまり
★目のかゆみ
★くしゃみ
★鼻水
★目のかゆみ
★咳
その他の症状 ★くしゃみ
★鼻水
★目のかゆみ
★じんましん
★肌荒れ
★長引く乾いた咳
★のどの痛み
★頭が重い
★体がだるい
★肌荒れ
★胸の痛み(心筋梗塞)
★頭痛(脳梗塞)
★じんましん
★肌荒れ
肺がん発症のリスク 上がる 上がる

上の表のようにPM2.5・花粉・黄砂には共通する症状があります。

判断基準として、咳が長引いていたり、胸の痛みがある場合はPM2.5が原因である可能性が高いと考えられます。

これは、PM2.5に含まれるディーゼル物質が喘息や気管支喘息などの呼吸器疾患や、くしゃみや目のかゆみなどのアレルギー症状を引き起こしています。また、血液凝固を促す作用のある有害物質は心筋梗塞などの循環器疾患を引き起こしています。

さらに、PM2.5に含まれる硫酸塩などが化学反応を起こし発がん性物質に変化する為、肺がんになるリスクも高まります。

PM2.5はどのようにして発生するの?

PM2.5の発生源は次のようなものがあります。

PM2.5の発生源

  • 物を燃やした時などに直接発生するもの(一次生成粒子)

・‘すす’や細かい‘ちり’などが混じった煙を出すボイラーや焼却炉
・鉱物などを堆積しておく施設
・コークス炉
・自動車や船、飛行機などの排ガス
・火山や土や海洋など自然から発生される噴煙

  • 排出されたガス状の物質が光やオゾンなどと化学反応を起こして発生するもの(二次生成粒子)

・工場や事業所・火力発電所・自動車や飛行機などの排気ガスに含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物
・塗料や石油が蒸発する時に出てきたり、森林などから排出されるトルエンやキシレンなどの揮発性有機化合物

これらの発生源となる施設や工場などは世界中にありますが、中でも近年経済的な急成長がみられる中国に特に多くあります。
中国国内でもPM2.5などの有害物質による大気汚染が深刻化していて常に煙のようなモヤがかかった状態です。

この汚れた空気が偏西風に乗って日本にまでやって来るので、春先にPM2.5の注意報が出るというわけです。

また、PM2.5発生の問題は国外だけではなく、日本国内にもあります。

特に、東日本大震災以降原子力発電所の休止や閉鎖が続く中、代わりに再稼働したのは火力発電所でした。
この火力発電所から排出されるPM2.5などの有害物質もまた問題視されているのも現状です。

PM2.5は花粉や黄砂よりも小さく肺や気管支にまで入り込む!

PM2.5はとても細かい粒子だと言われていますが、実際にはどのくらいの大きさなのでしょうか。
分かりやすいように髪の毛の太さと花粉・黄砂と比較してみましょう。

※単位:マイクロメートル(㎛)=1㎜の1/1000

髪の毛 花粉 黄砂 PM2.5
80㎛ 20㎛~40㎛
(髪の毛の1/4~1/2)
4㎛
(髪の毛の1/20)
2.5㎛
(髪の毛の1/30以下)

PM2.5の大きさ
このように花粉や黄砂に比べてもかなり小さく、2.5㎛以下の粒子状物質をPM2.5と呼び、炭素や硝酸塩・硫酸塩・金属など複数の化学物質が混ざり合ってできた混合物です。

この小さな混合化学物質が肺や気管支の奥の方まで入りみ喘息や気管支炎などの症状を引き起こしています。

PM2.5による健康被害の影響を受けやすい人は?

PM2.5の影響を受けやすい人

PM2.5は粒子が非常に細かいため、肺の奥(肺胞)にまでに入り込みやすい有害物質です。
免疫力の弱いお年寄りや体が小さく影響を受けやすい子供、もともと呼吸器疾患や循環器疾患を持っている人は特に注意が必要となります。

また、花粉や黄砂とPM2.5を同時に吸い込むことによって症状が悪化する可能性が高くなるので、花粉症や黄砂アレルギーの人も注意が必要になります。

喘息や気管支炎などを引き起こすPM2.5から身を守る方法

PM2.5の予防方法

PM2.5は花粉症を悪化させたり、喘息や気管支炎などの呼吸器疾患や心筋梗塞などの循環器疾患を引き起こす有害物質です。
環境省は、PM2.5が1日平均70㎛/㎥を超える濃度になると健康に影響を与える可能性が高くなるとして、各自治体に注意喚起を呼びかけるよう定めています。

注意喚起の方法は自治体によって違ってきますが、テレビやラジオでPM2.5の濃度予報を放送したり、ホームページで発表したりしています。環境省が出しているそらまめ君というサイトでも簡単にPM2.5の濃度を確認することが出来ます。

【そらまめ君サイト】http://soramame.taiki.go.jp/

注意喚起が行われた時は、

  • PM2.5対応のマスクを着ける
  • 長時間の激しい運動をしない
  • 洗濯物は部屋干しする
  • できるだけ外出しないようにする
  • 換気は必要最低限にする

など対策を取り、PM2.5から身を守るようにしましょう。

※参考文献
【環境省ホームページ】
https://www.env.go.jp/council/07air-noise/y078-01/mat06.pdf
http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info.html

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