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【エコノミークラス症候群の予防】エコノミークラス症候群対策グッズも紹介

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【エコノミークラス症候群の予防】エコノミークラス症候群対策グッズも紹介
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

エコノミークラス症候群は長時間フライトや、夜行バスなどで突然、誰でもなる可能性がある病気です。

その症状として痛みや腫れが起こるだけでなく、重症の場合は>突然の胸痛や心臓発作にも繋がり、その程度が重いと死亡する可能性もある怖い病気だということを知っていますか?

しかし、予防をしっかりとすればエコノミークラス症候群を起こすリスクを低くできます。

今回は、エコノミークラス症候群の特徴や、予防するためのストレッチ方法や、エコノミークラス症候群を予防するグッズについてご紹介します。

【エコノミークラス症候群の特徴】突然起こりうる怖い病気!?

【エコノミークラス症候群の特徴】突然起こりうる怖い病気!?
まずはエコノミークラス症候群とは、どんな病気なのでしょうか?

人は、狭い座席で食事や水分を十分取らずに長時間同じ姿勢を続けると、足が圧迫され静脈の血の巡りが悪くなり、どろどろの血液から小さな血の塊(血栓)ができます。

ふとした歩行をきっかけに、血栓が足の血管から肺に流れて動脈を詰まらせて症状を引き起こします。

軽度な症状であれば、むくみや腫れが現れて、重度の症状になると胸や背中の痛みや冷や汗、呼吸困難などに陥ります。

これが、いわゆるエコノミークラス症候群と呼ばれる病気です。

エコノミークラス症候群が起こりやすい状況は、長時間のフライトや夜行バス、最近では災害からの避難で車中泊をする場合です。

どれも狭い空間に長時間動くことなく、同じ姿勢で居る状況ですね。

大体6時間ほど足を動かさないと発症する可能性があると言われています。

また、エコノミークラス症候群になりやすい人の特徴として以下の項目が挙げられます。

エコノミークラス症候群になりやすい人の特徴

【普段からあまり水分を取らない】
人間は特に何もしていなくても生きているだけで体の水分が減っていきます。

尿や便を排出するのはもちろん、息を吐くだけでも1日400mlの水分が放出されています。

また皮膚からも水分は蒸発していき、その量は汗をかかない時でも1日に600mlにものぼります。

水分を摂る量が少ないと体の中の水分量が減り、血液がどろどろになり血栓ができるリスクが上がるため、エコノミークラス症候群にも陥りやすくなります。

【あまり運動をしない】
運動習慣がないこともエコノミークラス症候群になりやすい特徴です。

現代は移動手段が発達しており、特にデスクワークの方は気が付けばあまり動いていないなという日も多いのではないでしょうか?

【体質的に血液の流れが滞りやすい】
もともとの体質から血液の流れが滞りやすい人も居ます。

肥満やエストロゲン治療の有無、リスクが高いという点で言えば静脈血栓塞栓症の既往、先天性の血栓性素因、下肢麻痺がエコノミークラス症候群になりやすい特徴といえます。

エコノミークラス症候群の症状について知ろう!

エコノミークラス症候群の症状について知ろう!
実際にエコノミークラス症候群が発症した時は、どのような症状が起こるのでしょうか?

エコノミークラス症候群の初期症状
エコノミークラス症候群の症状が軽度の場合、症状に無自覚なことも多くあります。

その場合に注意して見たいのは「自分の普段の状態と比べて違和感があるかどうか?」です。

  • いつもより足がむくんだり腫れたりしていませんか?
  • 足の太さは左右で違いませんか?
  • いつもより足が動かしにくい自覚はありませんか?

このような症状が同時に両足に出ることは少なく多くは片足のみに現れます。

そのような違和感を感じたら少し自分の体を疑って観察してください。

エコノミークラス症候群の中程度

中程度の症状の場合は、歩行や階段を登る際に今までに感じたことのない息切れ、胸・背中の痛み、動悸、冷や汗などの自覚があります。

そのような症状があればエコノミークラス症候群の発症を疑いましょう。

エコノミークラス症候群の重度

さらに症状が重度の場合、つまりとても大きな血栓が肺に詰まり、完全に血液が流れなくなった状態です。

この状態になると、体の外から取り込んだ酸素を血液から体内に取り込めなくなり、血液中の酸素濃度は低下していきます。

実際に呼吸をしていても体は窒息状態のままなので、突然の呼吸困難が起こり、失神やショック、最悪の場合は心肺停止が起こります。

エコノミークラス症候群の80%程度は、主な症状が呼吸困難です。

発作は1回だけのこともありますが、数回発作が生じて、その度に状態が悪化する場合もあります。

比較的大きな症状が見られたら、命に関わりますので躊躇せずに救急車を呼ぶ対応を取り、速やかに医療機関を受診してください。

エコノミークラス症候群を予防する方法

エコノミークラス症候群を予防するためには、「血液の流れが滞る」「血液がドロドロになる」「血管の壁が痛む」の3つの原因を防ぐのが重要です。

【エコノミークラス症候群の予防】下肢の運動

【エコノミークラス症候群の予防】下肢の運動
長時間同じ姿勢を維持する場合、ときどき軽い体操やストレッチ運動をするようにしましょう。

軽い運動をすることで、血液の流れが滞ることを防ぎエコノミークラス症候群を予防できます。

具体的な運動やストレッチの方法は後ほど紹介します。

【エコノミークラス症候群の予防】水分補給

【エコノミークラス症候群の予防】水分補給
エコノミークラス症候群の予防には血の塊である血栓ができるリスクを下げる、つまり血液をサラサラの状態に保つことが大切です。

エコノミークラス症候群になりやすい人の特徴でも挙げましたが、人間は尿や排便をしなくても体から水分が蒸発する仕組みになっています。

運動をして1日2Lほどを目安に水分を摂取しましょう。

特に高齢者は頻繁にトイレに行く事を嫌がったり、尿漏れの心配から飲み物を控える事もあるかもしれませんが、水分をきちんと摂取することは健康に過ごすための基本とも言えます。

最近では認知症予防の効果があることもわかってきましたので、ぜひ積極的に水分を摂取してください。

アルコールは飲むと脱水を起こしやすいので、注意しましょう。

【エコノミークラス症候群の予防】生活習慣の見直し

【エコノミークラス症候群の予防】生活習慣の見直し
血管の壁が痛むことを防ぐためには、生活習慣の見直しが大切です。

まずは標準体重を維持すること、肉や魚で良質なたんぱく質を摂取し、野菜や食物繊維の摂取を意識した健康的な食生活をしましょう。

血管を健康な状態を保つために食事への気遣いは不可欠です。

普段から血圧や血糖値、コレステロールを管理することで、血栓症のリスクを下げる事ができます。

また、喫煙は血管にも深刻なダメージを与えます。

静脈血栓だけでなく肺にもダメージを与えますので禁煙も非常に重要です。

【エコノミークラス症候群の予防】予防運動とマッサージ

【エコノミークラス症候群の予防】予防運動とマッサージ
エコノミークラス症候群を予防するためには、具体的にどのような運動やマッサージをすればいいのでしょうか?

その方法は全身を適度に使うものから、席に座ったままできる手軽なものまで様々です。

【エコノミークラス症候群の予防】時々足と体を動かす!

できれば1-2時間ごとに席を立ち、周囲を歩くといいです。

全身を適度に動かすことで体がリラックスし発熱が促されることで体内の血液の循環を助けられます。

もし少し広い場所があればスクワットをしたり、上半身や足を伸ばすなどの軽いストレッチをすることでより高い効果が得られますよ。

【エコノミークラス症候群の予防】かかとの上げ下ろし運動する!

座ったまま床につま先をつけ、かかとを上げて左右の親指を3秒間押し合います。

次にかかとを床につけてつま先を上げ、同様に左右の親指を3秒間押し合う。

これを何度か繰り返す運動を、30分に1回します。

そうすることで一番血液がたまりやすい足に適度に刺激を与え、血液の流れをよくするサポートをします。

【エコノミークラス症候群の予防】足の指のグーチョキグーパーと動かす

文字通り指先をグーチョキパーの形にする運動です。

これを10回しましょう。

この時にギュっと指先に力を入れて圧をかけることで、より血液の流れをよくできます。

【エコノミークラス症候群の予防】足首をまわす!

これも座ったままできる運動です。

軽く自分のふとももを持ち上げて足首を回しましょう。

左右2-3回ずつ行えばいいでしょう。

足首を回す際にふとももを持ち上げることで心臓から足までの高さと距離が短くなりますので、体は少ないエネルギーで心臓に血液を届けやすくなります。

この時に同時にふとももを揉みましょう。

そうすることで筋肉はやわらかくなり、マッサージの効果を更に高められます。

【エコノミークラス症候群の予防】首のストレッチ

上半身を動かさずに首だけを左右に曲げて伸ばします。

軽く伸びていることを感じながら気持ちいいと思う位のチカラで左右2-3回ずつ行います。

以上5つの運動とマッサージを紹介しました。

どれも手軽にできて難しいものではありませんので、ぜひ覚えて実践してみてくださいね。

【エコノミー症候群の予防】長旅に便利なグッズを紹介

長旅をする時にエコノミークラス症候群を予防するために、便利なグッズを紹介します。

【エコノミー症候群の予防】弾性ストッキング

弾性ストッキングは履くことで足が適度に締め付けられ、筋肉のポンプ作用による血流の流れを助けます。
医療的な予防法としても勧められている弾性ストッキングには大きな効果が期待できます。

着圧ハイソックス(エコノミークラス症候群)

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【エコノミー症候群の予防】フットレスト

こちらはハンモック型のフットレストです。前の座席のデスク部分に吊り下げて使用します。

フットレストを使用することで太ももの圧迫が少なくなり、血の巡りがよくなります。
また、足の位置が高くなるので血が足に溜まるのを予防できます。

重さが80gとかなり軽量でコンパクトなので持ち運びにも便利ですね。

フットレスト飛行機新幹線高速バス(エコノミークラス症候群

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【エコノミー症候群の予防】楽々ステッパー

こちらは座ったままで足踏み運動ができる折りたたみ式のステッパーです。

座ったままで使用できるのでヒザに負担がかかりません。
その為、ヒザが痛い方でも気軽に使うことがでるアイテムです。

また、折りたたむと非常にコンパクトになり、350gととても軽いので持ち運びにも便利です。

楽々ステッパー(エコノミークラス症候群)

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【エコノミー症候群の予防】多機能スマートウォッチ

エコノミークラス症候群の予防のためには普段からの健康管理も重要ということには触れてきました。

このようなスマートウォッチを普段から付けていれば、勝手に心拍数や血圧、走行距離、消費カロリーなどを記録ししてくれ健康状態の把握が簡単にできます。
寝ている時にも睡眠の状態や質を記録してくれています。

データはアプリに自動で転送されますので数値のチェックも簡単です。

多機能スマートウォッチ(エコノミークラス症候群)

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このようなグッズを活用してより手軽にエコノミークラス症候群を予防していきましょう!

エコノミークラス症候群にはどんな治療があるの?

エコノミークラス症候群にはどんな治療があるの?
エコノミークラス症候群の治療は、重症度によって変わります。

症状が軽い程度であれば、血液の流れをよくする効果のある飲み薬を飲む治療が行われます。

この場合は外来のみで治療が終わることが多く、まずは1週間の服薬で様子を見て、血栓が溶けてきているようであれば、血栓が消失する目安である3ヶ月を目安に時間をかけて治療していきます。

そして、血液検査でDダイマー項目(血栓の出来やすさの程度)を見て、さらに心電図や心臓の超音波検査、下肢静脈エコーを組み合わせて定期的な検査します。

病気が進行している場合には、入院が必要になるケースがあります。

血栓により詰まった血管が広範囲の場合には体内の酸素量が極端に低くなり、低血圧やショック・失神を起こす可能性もあるので、病気が進行している人に対しては、血栓(血の塊)を溶かす効果のある薬を積極的に使用する必要があります。

この場合は、主に点滴や静脈への注射で治療が行われます。

さらに心臓が停止したり、症状が重く、内科的な治療では間に合わない患者に対しては、カテーテル治療や手術によって直接血栓を取り除く治療が行われます。

一番重要なのは自分の体に違和感を感じたら一刻も早く病院で受診をすることです。

エコノミークラス症候群の治療は、特に重症の場合時間との戦いであり、治療が遅れると死亡する可能性がある怖い病気だということを覚えておきましょう。

【エコノミークラス症候群に注意して快適な移動しよう!

今回は、エコノミークラス症候群の特徴や、予防するためのストレッチ方法や、エコノミークラス症候群を予防するグッズについてご紹介しました。

長時間のフライトや夜行バス、万が一の避難生活の際に参考になれば幸いです。

エコノミークラス症候群が起こる原因がわかっていれば対策はそこまで難しいものではありません。

  • エコノミークラス症候群は血液がドロドロになって出来た血栓が血管を塞ぐことで起こる
  • エコノミークラス症候群を予防するためには軽い運動やストレッチが有効
  • エコノミークラス症候群の予防グッズも活用していきましょう
  • もしエコノミークラス症候群が起こったら迷わず病院を受診しましょう

少しの予防策で発症を防げますので長旅の時には、この記事を思い出して実践してみてください。

薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

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35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

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