ARTICLE テイコク健康推進課

便秘の原因【便が出る仕組みから便秘の種類まで】

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便秘の原因【便が出る仕組みから便秘の種類まで】
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

便が出なくて辛い思いをしたり、出てもスッキリしない人も多くいると思います。でも、そもそもその便は、からだの中で何が起こって便秘になったのでしょうか。ここでは便秘の原因について詳しく紹介いたします。

便が出る仕組みについて

便が出る仕組みについて

口から食べた物は、唾液や胃液によって、体に吸収しやすい物に変えられます。十二指腸では、胆汁や膵液と呼ばれる消化液と混ざって、さらに吸収されやすい物に変えられます。

次に小腸と呼ばれる臓器に移動するのですが、ほとんどの栄養分とおよそ90%近くの水分がここで吸収されます。小腸の次は大腸に移動します。

大腸では、食べ物の残り物や小腸で吸収できなかった水分を吸収しながら、肛門まで運んでいき、最後に大腸が運んできた食べ物の残り物、ここではすでに便となっていますが、直腸という所に運ばれて、そこが刺激されることによって、脳に便が出そうという信号を送り、排便をするという流れになっています。

口から食べたものが便として出るまでに時間にすると1日半から3日くらいかかります。

便秘の種類と原因について

便秘の種類と原因について

便秘の種類と原因について項目に分けて説明します。

【機能性便秘】

  • 弛緩性便秘
    便秘の中でも起こる頻度が高く、特に高齢者に多い便秘のタイプです。腸の蠕動運動が低下し、大腸内に便が長く留まることによって、水分が過吸収されてしまい、便が硬くなってしまいます。運動不足や水分の摂取不足などでも起こりやすい便秘です。
  • けいれん性便秘
    自律神経が失調し、下部大腸がけいれん性に縮小し、直腸への便の輸送が妨げられることで起こる便秘です。特徴的なのは、兎糞状の固い便です。便秘と下痢を交互に繰り返すこともあります。原因は神経性のストレスや過敏性大腸症候群です。
  • 直腸性便秘
    便が直腸に溜まっても排便反射が弱まり、直腸内に便が溜まっても便意を感じないことで起こる便秘です。高齢者や寝たきりの人のほかに多忙のため、便意を抑制してしまったり、不規則な生活を送っていたり、下剤・浣腸の乱用でも起こりやすいです。便の性状としては、太くて硬い便です。

【器質性便秘】

器質性便秘の主な原因は、腸の病気によるものです。いくつか例に挙げますと、大腸がんや直腸がんの腫瘍により、腸管が狭くなり、通過障害が起こり便秘になったり。S状結腸過長症と言って、S状結腸が長すぎて、腸の内容物が通過するまでに時間がかかり、固い便となってしまい、結果便秘になる疾患も存在します。

器質性便秘は、原因となる疾患が治療されないと、便秘が改善しません。

【症候性便秘】

症候性便秘は、全身性の病気により起こる便秘のことです。いくつか疾患と原因を説明しますと、脊髄損傷脊髄腫瘍、脳血管疾患を抱えている方は、排便反射に関する神経が障害され便意を感じなくなるため、便が溜まりやすくなってしまいます。

女性に多い、甲状腺機能低下症では、代謝が低下し、大腸の運動が低下、腸粘膜の萎縮が起こることで便秘になります。

糖尿病を抱えている方も便秘になりやすいです。糖尿病性の神経障害により副交感神経が抑制されるため、大腸の運動が低下しやすくなります。

女性の場合、病気とは違いますが、生理中や妊娠中にもホルモンの影響で便秘になりやすくなります。これも症候性便秘に位置付けられます。

【薬剤性便秘】

便秘の原因のひとつ【薬剤性便秘】

最後に薬剤性便秘ですが、これは文字通り薬による副作用で起こる便秘のことを指します。腹痛や頻尿パーキンソン病に対して処方される抗コリン薬や抗うつ薬、てんかんに対して処方される抗けいれん薬などは、副交感神経を抑制してしまうので、大腸の運動が低下させてしまいます。癌性の痛み止めなどで処方されるモルヒネという麻薬も筋緊張を亢進させてしまうので、腸の蠕動運動が低下してしまい、結果便秘を引き起こしてしまいます。こういった薬剤性の便秘に関しては、下剤も合わせて処方されるのが一般的になっています。

男性より女性の方が便秘になりやすい

便秘の原因に性別が関係するのか?

女性の方が男性より便秘になりやすいのには、いくつか理由があります、

まず、男性に比べて、腹筋の力が弱いことが挙がります。いきむためには、腹筋を必要とするため、いきむ力が弱ければ、便を押し出す力も不足し、結果的に便秘となってしまいます。

次に女性特有の生理も便秘に影響しています。生理前に増える黄体ホルモンというホルモンは大腸の運動を抑制してしまう働きを持つため、生理前には便秘になる人が多くなります。また、女性の体型上、骨盤が広くなっており、その空いたスペースに腸が下がって腸の形が不安定になることもあり、これも便秘の要因の一つとなっています。

また、女性がよく行う、ダイエットも便秘の原因の1つです。食事の量を極端に減らすダイエットを行ってしまうと便の材料ともなる食物繊維が減り、便秘になりやすくなってしまいます。

やはり便がスムーズに出るように健康的な習慣を身につけることが一番の便秘の解消法ではないかと思います。

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薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

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