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コレステロールを下げる方法とは?食事と生活習慣の改善が重要!

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コレステロールを下げる方法とは?食事と生活習慣の改善が重要!
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

テレビ番組や健康診断の結果でコレステロールという言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
しかし、コレステロールのはたらきや役割については知らない人も多いと思います。

今回はそんなコレステロールについて説明を行いながら

「コレステロールが多いと何がいけないの?」
「コレステロールが高い脂質異常症ってどんな病気?」
「コレステロールを下げるには具体的にどうすればいいの?」

などの疑問を解決していきたいと思います。

コレステロールが高いとどうなる?リスクについて

我々の身体を構成する脂質は①コレステロール②中性脂肪(トリグリセライド)③リン脂質④脂肪酸という種類に分けられます。
①のコレステロールはさらに、LDLコレステロールとHDLコレステロールに分類することができます。

LDLコレステロールとはいわゆる悪玉コレステロールであり、血中に増えすぎるとさまざまな悪影響を及ぼします。

血中の脂質である①コレステロールと②中性脂肪(トリグリセライド)などが増えた状態を「脂質異常症」といい、動脈硬化のリスクを増加させ、最終的には心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの血管系の病気の危険性が高まります。

コレステロールを下げる目的の一つが、このような動脈硬化性疾患の発症を予防することにあります。

最悪の場合は命に関わることもありますので、たかがコレステロールと油断してはいけません。

脂質異常症の診断基準

脂質異常症には原発性と二次性の2種類があります。

原発性は遺伝的な要因が関与しており家族に脂質異常症の方がいる場合には発症しやすくなるという特徴があります。
二次性には糖尿病、肥満、腎疾患などの疾患、薬剤、過食、アルコールの多飲、ストレス、運動不足など生活環境要因で発症するものです。

この二次性の脂質異常症は脂質異常症患者の約40%で見られますので、生活習慣の改善が脂質異常症の改善に繋がることが少なくありません。

脂質異常症の診断基準

診断は血液中のLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪を測定し行います。

  • LDL(悪玉)コレステロール

140mg/dl以上…高LDLコレステロール血症
120~139mg/dl境界型高LDLコレステロール血症

 

  • HDL(善玉)コレステロール

40mg/dl未満…低HDLコレステロール血症

 

  • 中性脂肪(トリグリセライド)

150mg/dl以上…高トリグリセライド血症

 

コレステロールが高くなる原因と食生活を含む生活習慣のチェックリスト

コレステロールが高くなる原因となるチェックリストを確認してみましょう。
チェックが多い人はコレステロールが高くなっている可能性があります。

ご自身の生活習慣を振り返ってみましょう。

肉や揚げ物を食べることが多い

魚料理よりも肉料理をよく食べる

野菜はあまり食べない

お酒が好きでほとんど毎日飲む

日中や寝る前におやつを食べることが多い

お菓子やケーキなど甘いものが好き

ジュースや砂糖入り缶コーヒーなどをよく飲む

食べるペースが人より早い

麺類を食べるときには丼やごはんものが欲しい

卵を1日1個以上食べる

1日に必要なエネルギーの計算方法

性別と年齢からみた必要エネルギー量

厚生労働省が発行している日本人の食事摂取基準(2015年版)では年齢、性別、活動量をもとに、1日に必要なエネルギー量が定められています。

  • 男性

年齢…活動量低い/普通/高い

18~29歳…2300kcal/2650kcal/2950kcal

30~49歳…2250kcal/2650kcal/2950kcal

50~69歳…2050kcal/2400kcal/2750kcal

70歳以上…1600kcal/1850kcal/2100kcal

  • 女性

年齢…活動量低い/普通/高い

18~29歳…1750kcal/2050kcal/2350kcal

30~49歳…1700kcal/2000kcal/2300kcal

50~69歳…1650kcal/1950kcal/2200kcal

70歳以上…1350kcal/1550kcal/1750kcal

体格からみた必要エネルギー量

体格の指標として用いられるのがBMI(Body Mass Index)という指標です。
身長に対する体重の割合で算出され、この値が大きければ大きいほど肥満傾向が強くなり、反対に少なければ痩せ傾向が強くなります。

BMIの計算式は以下のようになります。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
つまり、身長170cm、体重65kgの人は
BMI=65(kg)÷1.7(m)÷1.7(m)=22.5

となります。

  • BMIと肥満

計算したBMIの値により肥満度がわかります。

18.5未満…やせ
18.5以上25未満…普通
25以上…肥満

一般的にBMI22前後が最も病気になりにくく、健康で過ごしやすい体格とされていますので理想的な体重はBMI22のときの体重となります。

以上をもとに身長から理想的な体重を算出する計算式がこちら

理想体重=身長(m)×身長(m)×22

この理想体重に活動係数をかけたものが体格からみた必要エネルギー量になります。

  • 活動係数

軽労作(専業主婦・デスクワーク)…25~30kcal
普通の労作(立仕事・営業)…30~35kcal
重労作(力仕事)…35~40kcal

つまり170cmのデスクワーク中心のサラリーマンの1日に必要なエネルギー量は

1.7(m)×1.7(m)×22×25~30=1590~1910kcal となります。

もしBMIから算出した体格が肥満に近ければ少ないエネルギー量、やせに近ければ多いエネルギー量を必要エネルギー量として設定しましょう。

コレステロールを下げる食事

暴飲暴食を避ける

食べ過ぎ、飲みすぎで摂り過ぎた栄養は身体のなかで脂質に変換されて保存されます。

摂り過ぎた栄養というのはコレステロールなどの脂質だけではなく、ご飯やパンに含まれる糖質も同じです。摂り過ぎた糖質も身体のなかで脂質に変換されてしまいますので、すべての食事において、食べ過ぎ、飲みすぎを避けることがコレステロールを下げる第一歩です。

脂質の摂り過ぎに注意する

コレステロールは身体のなかで作られるだけでなく、食品からの摂取によっても増加します。

特にコレステロールが多く含まれているのが動物性食品。
特に卵・内臓類・バター・肉類にはコレステロールが多く含まれているので注意が必要です。

  • コレステロールが多い食品の代表

・いか
・卵黄
・豚/鶏/牛レバー
・うなぎかば焼き
・手羽先
・たらこ
・茹でたこ
・ししゃも

現在は以前に言われていたような「卵は1日〇個まで」などの上限はありません。
これは食事中のコレステロールは身体のなかで作られるコレステロールの1/3~1/7程度の役割しか果たしていないという報告があったためです。

つまり食事中のコレステロールは血中のコレステロール増加にごくわずかな影響しかもたらさないということ。

脂質異常症の人は1日200mg程度までにコレステロール摂取を抑えるほうが良いとはされているので注意は必要ですが、それよりも生活習慣を改善するほうが効果は高いかもしれません。

  • 魚の摂取を増やす

肉や魚は身体を作る上で重要な動物性のたんぱく質ですが、そこに含まれる油は肉と魚で種類が違います。

肉に含まれる油は飽和脂肪酸といい血中の悪玉コレステロールを増加させる要因となります。

反対に魚に含まれる油はn-3系多価不飽和脂肪酸といい、代表的なものにEPAやDHAがあります。これらの油には血中の善玉コレステロールを増加させるはたらきがあります。

肉に比べ、魚の油は血中のコレステロールを下げる良い効果を持っていますので、肉類中心の食事となっている人は、魚中心の食事に変えることが重要です。

特に、青魚に含まれる油であるEPAやDHAにはコレステロールを下げる効果が高いのでオススメです。

  • 食物繊維を積極的に摂取する

食物繊維は野菜やきのこ、海藻などの含まれる繊維性成分であり、腸からのコレステロールの吸収を減らすはたらきを持っています。

食事中のコレステロールと吸収部位である腸管の間を食物繊維が隔てる作用を持っているからです。

肉などコレステロールが多い食事を食べるときは野菜やきのこ、海藻など食物繊維が多い食品を一緒に食べるようにしましょう。

おなじ量を食べてもコレステロールの吸収率を下げることが出来ます。

  • アルコールはほどほどに

アルコールの主成分は糖質ですが、先ほどもお話ししたように摂り過ぎた糖質は身体のなかでコレステロールなどの脂質に変換されてしまいます。

そのためアルコールの摂り過ぎもコレステロールの増加に関係しています。

またそれだけでなく、アルコール自体が肝臓にはたらきかけコレステロールの合成を促進してしまう効果があります。

飲酒は、アルコール摂取によって摂り過ぎた糖質が脂質として保存されるだけでなく、肝臓に作用しコレステロールの合成をさらに高めてしまいます。

適度な飲酒は健康増進作用がありますが、飲み過ぎには注意が必要。

1日の適正摂取量は日本酒1合、ビール500ml、焼酎180ml程度までが目安になります。

さらに毎日の飲酒は避け、週1-2日程度は肝臓を休める休肝日を作るようにしましよう。

  • 食塩の摂り過ぎにも注意

コレステロールを下げるポイントではありませんが、食塩の摂り過ぎにも注意が必要です。

コレステロールが高いことによる問題点は、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの血管系の病気の危険性が高まること。

食塩はコレステロールとともに作用して、血管の老化である動脈硬化を進めてしまいます。

コレステロールだけでなく食塩を制限することにより血管系の病気の発症や進行を予防する作用が増加するのです。

一般的に日本食・和食は醤油や味噌などの調味料を多く使うため、洋食や中華に比べて塩分量が多くなりやすい料理です。

1日の塩分目標量は7~8g程度なのですが、多くの日本人が10g近い塩分量を摂取しているという報告もあります。

健康のために和食中心にすることは脂質の制限の観点からは有効ですが、塩分の観点からはあまりオススメではありません。

何事も偏りは良くないですが、食事についても和食ばかりではなく、洋食や中華も取り入れながら毎日のメニューにメリハリをつけていきましょう。

また、外食やコンビニのお弁当には塩分が多く含まれていることが多いです。

それらの食事を毎日食べている場合は1日に1食、もしくは数日に1食でも自炊をすることで塩分量を抑えることが出来ます。

野菜や果物に含まれるカリウムには余分な塩分を体外へと排出する作用もありますので、自炊の際は野菜をたっぷりと使った料理を作ることもオススメです。

コレステロールを下げる食事以外のポイント

  • 運動習慣をつける

コレステロールを下げるために食事のコントロールだけでなく生活習慣の改善が重要です。

そのなかでも運動は特にコレステロール低下作用が高いとされており、中強度以上の有酸素運動を毎日30分以上目安に続けることが推奨されています。

中強度以上の有酸素運動とは早歩きや山登りなどのやや息の上がる程度の運動であり、犬の散歩なども含まれます。

このような中強度以上の運動を一定時間続けることにより血中の脂質が効率的に利用され脂質異常症の改善効果がみられます。

毎日が難しいのであれば、数日に1回からでも運動習慣を取り入れるようにしましょう。

食事だけ注意するよりもコレステロールを下げる効果が期待できます。

  • 薬と食事の併用

生活習慣の改善だけではコレステロールが下がらない場合は薬の使用も必要になってきます。

コレステロールを低下させる薬はスタチン、クレストール、ゼチーアなどさまざまありますが、多くが食事療法と合わせて効果を発揮します。

別の言い方をすれば、食事などの生活習慣の改善により薬の量や頻度を減らすことが出来るのです。

薬が始まったからといって生活習慣の改善をおろそかにしないことが大切。

食事に気を付けることで、コレステロールの薬を減らすことがかもしれません。

  • 禁煙

タバコは百害あって一利なしとはよく言いますが、これはコレステロールにおいても同じことが言えます。

コレステロールが高いことによる弊害は動脈硬化による血管系の病気の発症。

タバコはこの動脈硬化を悪化させる最も有害な生活習慣です。

もしあなたがタバコを吸っているなら必ず禁煙するようにしましょう。

また身の周りの人がタバコを吸っている場合は受動喫煙にも注意が必要です。

本人が吸う主流煙に比べ、周りで吸う副流煙には有害物質が数倍多く含まれているとされていますので、動脈硬化を予防するためには受動喫煙の防止も含めた禁煙が重要です。

コレステロールを下げるには食事と生活習慣の改善を!

コレステロールは身体を構成する脂質のひとつであり、増えすぎると脂質異常症の原因となります。

さらに脂質異常症が進行すると、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞など動脈硬化性の病気が発症、最悪の場合死に至ることもあります。

コレステロールの改善はこれらの疾患を予防することを目的としており、その予防には食事や生活習慣の改善が重要となってきます。

さいごにコレステロールを下げるための食事と生活習慣のポイントをおさらいしましょう。

  • 食事のポイント

・暴飲暴食を避ける

・脂質の摂り過ぎに注意する

・魚の摂取を増やす

・食物繊維を積極的に摂取する

・アルコールはほどほどに

・食塩の摂り過ぎにも注意

  • 生活習慣のポイント

・運動習慣をつける

・薬と食事の併用

・禁煙

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