【朗報】血液をサラサラにする正しい方法。血液がサラサラな人は病気のリスクが低い!?


テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。
サラサラした血液、ドロドロとした血液って、聞いたことありませんか?
血液って文字通り液体ですから、血管を通して全身にくまなく流れています。
全身に流れている液体であるはずの血液が、サラサラしたり、ドロドロとしたりした状態って、どんな状態なのでしょうか。
今回は、サラサラした血液・ドロドロとした血液について、その原因とリスクなども含めてわかりやすく解説します。
この記事の目次
「血液がドロドロ・サラサラ」とはどういう状態?ドロッとした血液になるってこと?
サラサラした血液・ドロドロとした血液といっても、血液が小川のせせらぎのようにサラサラと流れているわけでも、ヘドロやタールのようなどろりとした血液になっているわけでもありません。
血液のサラサラ・ドロドロとは、血液の流れ具合を指す表現です。
サラサラとは『血液の流れがよく健康的な状態』、ドロドロとは『血液の流れが悪くなり不健康な状態』を意味しているというわけです。
ポイント
サラサラとドロドロとは血液の状態を表しているのではなく、血液の流れ具合のことを現わしている。
【血流が悪くなる原因4つ】ドロドロの状態は、血液成分による赤信号
血液はどうしてドロドロになるのでしょうか。
血液がドロドロとする、つまり流れが悪くなる原因は4つあります。
血液がドロドロになる原因①【血小板が固まりやすくなる】
血小板とは、出血したときに血を固めて出血を止める働きのある血液成分です。
脂っこい食事を食べる機会が多い人の場合、腸内細菌のうち悪玉菌が毒素をより多く作り出す傾向があり、この毒素によって血小板が固まりやすくなります。
また、こうした傾向は、コレステロールが高い人や身体の水分が不足している人などにも起こりやすいです。
血小板が固まりやすくなるということは、血液が固まりがちになるということでもあるので、血液の流れが悪くなります。
血液がドロドロになる原因②【赤血球が増える】
赤血球は、身体の細胞に酸素を運ぶ役割を担っている血液成分です。
身体の水分が少なくなると、血液中の水分も減ります。
水分は減っても赤血球は減りませんから、血液の中で赤血球が占める割合が高くなり、水分量が少なくなった血液は結果的に流れにくくなります。
血液がドロドロになる原因③【赤血球が硬くなる】
糖尿病の人は、普通の人と比べて赤血球が硬くなる傾向があります。
血管の太さは均一ではなく、広いところもあれば狭いところもあります。
赤血球が硬くなると、狭いところを通り抜けにくくなり、そこで詰まってしまいます。
そのために、血液の流れが悪くなりドロドロと流れていきます。
血液がドロドロになる原因④白血球がくっつきやすくなる
白血球は、細菌やウイルスなどの病原体が体に入ってきたときに、それを排除する働きを示す血液成分です。
白血球は、身体の中に侵入してきた病原体を攻撃する際、病原体にくっつきやすくするため、粘着性を増す性質があります。
風邪を引くなど、身体の具合が悪いときには、白血球の流れが悪くなるので、血液の流れが低下します。
なお、これはタバコやストレスによっても同じ現象が起こりやすくなります。
【生活習慣に原因あり】血液がドロドロになる事例
乱れた生活習慣も血液をドロドロにしてしまう要因の一つです。
当てはまるものが無いか一度確認してみてください。
血液がドロドロになる生活習慣①【運動不足】
運動は、血液中に含まれる脂肪やコレステロールを燃やす効果があります。
言い方を変えると、運動をする習慣がない人は、血液中の脂肪やコレステロールを減らしにくくなるので、血液中の脂肪やコレステロールが多くなります。
これらが血小板を固める要因となり、血液がドロドロになってしまいます。
血液がドロドロになる生活習慣②【タバコの喫煙】
タバコに含まれるニコチンは血管を縮める作用があります。
血管が縮まると、血液の密度が高くなり、流れが悪くなります。
特に、1日あたり10本以上吸っているような方は要注意です。
血液がドロドロになる生活習慣③【長風呂】
熱いお風呂に長時間浸かると、汗をかいて身体から水分が出ていく一方、お風呂に入っている間は水分を取ることはあまりありません。
水分不足を招きやすい長風呂は、血液の流れを低下させます。
血液がドロドロになる生活習慣④ストレス
ストレスが溜まると、白血球の粘着性が高まることが知られています。
仕事などで日常的にストレスがたまり続けている方は、このために血液の流れが低下してしまいます。
【食習慣に原因あり】血液がドロドロになる事例
血液をドロドロにしてしまう要因に、食生活もあります。
血液がドロドロになる食生活①水分をとらない
日頃からあまり水分を取らないでいると、血液中に赤血球が占める割合が増加し、血液の流れが低下します。
また、のどの渇きをアルコールで癒している方もいますが、詳しくは後述しますが、アルコールでは水分不足は補えないので、やはり水分不足に陥ってしまいます。
血液がドロドロになる食生活②アルコールをよく飲む
アルコールにはおしっこを出しやすくする作用があります。
これを利尿作用というのですが、アルコールをたくさん飲むとその分、利尿作用が促進され身体から水分の放出に伴い、身体が水分不足に陥ります。
アルコールが水分不足をもたらす理由はそれだけでありません。
アルコール分を身体の中から分解して取り除くためにはエネルギーが必要です。
このアルコールを分解する過程でも水分を消費するので、さらに水分不足が加速します。
水分不足により、赤血球の割合が増加し、血液の流れが低下します。
血液がドロドロになる食生活③お肉中心の食生活
お肉に含まれるタンパク質は、身体を作る上で欠かせない栄養素です。
ですから、お肉を食べることは大切なことですが、食べ過ぎとなると問題があります。
お肉に含まれる脂肪分により、血液中の脂肪やコレステロールが増えます。
血液中の脂肪やコレステロールが増えると、血小板が固まりやすくなるので、血液の流れが悪くなります。
血液がドロドロになる食生活④脂っこい食べ物を多く食べる
脂っこい食べ物は、お肉と同じく含まれている脂肪分によって、血液中の脂肪やコレステロールを増やしますから、血液中の血小板が固まりやすくなり、流れを悪くしてしまいます。
<血液をサラサラにする正しい方法 >生活習慣の見直し
血液をサラサラにするためには、まず生活習慣を見直しましょう。
生活習慣の見直しのポイントは、『運動習慣』『禁煙』『お風呂』『ストレス発散』です。
血液をサラサラにする正しい方法①【運動習慣】
運動をあまりしない方は、まずは、ウォーキングやスイミングから初めてみてはいかがでしょうか。
ウォーキングやスイミングは、有酸素運動の一種です。
有酸素運動は、脂肪をエネルギー源として使うので、脂肪の燃焼効果が高いのが特徴です。
しかも、これらは難易度も高くないので、運動初心者の方でも始めやすいのでおすすめです。
血液をサラサラにする正しい方法②【禁煙】
タバコは健康面からみて、文字通り、百害あって一利なしです。
しかも、副流煙としてタバコを吸っている本人以外にも悪影響を及ぼすだけでなく、壁や服、カーテンなどに染みついたタバコの煙成分からも有害物質が放出され続けます。
ご自身の努力だけで禁煙が難しいなら、医療機関の禁煙外来を利用するのもいいでしょう。
血液をサラサラにする正しい方法③【お風呂】
お風呂は熱すぎない温度にしてください。
温度は40度を超えないように、そして入浴中も水分補給(15分のお風呂で500[ml])をしましょう。
血液をサラサラにする正しい方法④【ストレス発散】
ストレスを感じていない方はいないでしょう。
ですが、ストレスをためないように発散させることは可能です。
趣味に打ち込むのも良いでしょう。
面白い話に大笑いするのもストレス発散に効果的です。
意外なところでは、涙の成分にもストレスを発散させる効果があります。
大いに笑い、そして感動して泣く、意外とスッキリするものですよ。
血液をサラサラにする栄養素は意外と食べ物や飲み物に含まれている
血液をサラサラにしてくれる栄養素は食べ物にも含まれており、これらを食べることで、健康的な血流を目指すことができます!
血液をサラサラにしてくれる食べ物と栄養素①【ポリフェノール】
ポリフェノールとは、植物が持っている色素成分です。
ポリフェノールには、コレステロールが酸化するのを防ぐ働きがあり、この働きで血小板が固まるのを防ぎます。
ただし、ポリフェノールは体に貯金しておくことのできない栄養素ですので、毎日適量ずつ摂取することが大切です。
ポリフェノールを含む食べ物
ぶどう・ほうれん草・ブロッコリー・カカオ(チョコレート)・ニンジン・トマト・玉ねぎ
血液をサラサラにしてくれる食べ物と栄養素②【DHA】
DHAとは、ドコサヘキサエン酸の略で、血液中のコレステロールを減らし、血液をサラサラにする働きのある物質です。
DHAを含む食べ物
さんま・マグロ・サバ・アジ・アナゴ・ウナギ・アンコウ肝、などの青魚
血液をサラサラにしてくれる食べ物と栄養素③【EPA】
EPAは、エイコサペンタエン酸の略で、DHAと同じく血液中のコレステロールを下げて、血液をサラサラにしますが、EPAの方が血小板が固まるのを防ぐ効果が高い傾向があります。
DHAと同じく、青魚にたくさん含まれています。
血液をサラサラにしてくれる食べ物と栄養素④【ナットウキナーゼ】
ナットウキナーゼは、ナットウのネバネバを作り出している酵素です。
ナットウキナーゼには、血小板を固まりにくくする働きがあり、この効果で血液をサラサラにします。
血液をサラサラにしてくれる食べ物と栄養素【アルギン酸】
アルギン酸は、昆布やわかめのヌメヌメを作り出している食物繊維です。
アルギン酸には、血液にコレステロールが溶け込むのを防ぐ働きがあり、これによって血液をサラサラにします。
血液をサラサラにしてくれる食べ物と栄養素【ビタミン】
ビタミンの種類はいろいろありますが、中でも血液をサラサラにするのに効果が高いのが、ビタミンC・ビタミンEです。
ビタミンCを含む食べ物
オレンジ・レモン・キウイフルーツ・イチゴ・柿などの果物、キャベツ・ブロッコリー・赤ピーマン・ゴーヤ
ビタミンEを含む食べ物
キウイフルーツ・かぼちゃ・ニラ・春菊・アーモンド・アボカド・赤ピーマン・イカ・ブリ・サツマイモ・モロハイヤ・
血液をサラサラにしてくれる飲み物
血液をサラサラにしたいなら、先程にも挙げたポリフェノールがたくさん含まれている飲み物がおすすめです。
ポリフェノールを含む飲み物
緑茶・ウーロン茶・麦茶・赤ワイン・ココア・コーヒー
ワンポイントアドバイス①《赤ワインの上手な飲み方》
赤ワインを飲むなら、渋みのある赤ワインの方がポリフェノールの効果をより高く得られます。
飲む量は、1日2杯程度がおすすめです。
1杯(約100ml)で400mgのポリフェノールが含まれており、1日に必要とされている目安200mg~1gを2杯で十分に摂ることができます。
ワンポイントアドバイス②《コーヒーや紅茶はミルク禁止》
ポリフェノールは、ミルクに含まれるタンパク質によって効果が低くなるため、血液をサラサラにするという目的で飲む場合は、ミルクを控えることをおすすめします。
血液がドロドロだと「血管が詰まる」は本当?病気のリスクを確認
血管は、細い毛細血管から太い動脈まで、その太さはいろいろです。
血液がドロドロになる、つまり、流れが悪くなると、毛細血管の血液の流れが悪くなります。
ところが、太い動脈の場合、血管の太さが太いので血液の流れが悪くなることはありません。
ですが、ドロドロになった血液によって血管そのものが詰まってしまいます。
血液が詰まりやすい血管①【心臓の動脈】
心臓の動脈の内側にコレステロールがつき、コブ状の隆起になります。
このコブは、比較的簡単に破れてしまいます。
この破れたところを治すために血小板が集められ、破れたところを中心にして固まっていきます。
これを繰り返すことで、血小板の固まりがどんどん大きくなり、心臓の動脈の流れが悪くなります。
血液が詰まりやすい血管②首の動脈
首の動脈の場合、コレステロールや脂肪によって生じた血小板の固まりは動脈の壁にくっついておらず、ふわふわ浮いている場合が多いです。
これが動脈の流れを悪くさせます。
血管の詰まりで引き起こされる病気【心筋梗塞】や【脳梗塞】
- 心筋梗塞
心臓の筋肉に栄養や酸素を送っている動脈が詰まって流れなくなり、そこから先の筋肉が死んでしまう病気です。
心筋梗塞は、心臓の動脈の壁に生じた血小板の固まりが原因となり、脳梗塞は首の動脈に生じ、そこでふわふわしている血小板の固まりが脳の動脈を詰まらせてしまうのが原因となって起こります。
なんとこの血小板の固まりができるのにかかる時間は、60秒ほどと言われていますので、いとも簡単にできてしまうことがわかりますね。
ですが、身体の水分量が十分なら、3時間も経たないうちに血小板の固まりは溶けて無くなりますからご安心ください。
- 脳梗塞
脳梗塞は、脳に栄養や酸素を届けている動脈が詰まってしまうことで、脳の細胞が死んでしまう病気です。
まとめ【健康的な生活でサラサラな血液を手に入れよう】
- 血液がドロドロとした状態とは、血液の流れが悪くなった状態のこと。
- 血液の流れが悪くなると、血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる。
- 血液の流れが悪くなる原因は、『血小板が固まりやすくなる』『赤血球が硬くなる』『赤血球が増える』『白血球がくっつきやすくなる』の4つ。
ドロドロの血液は、運動不足やタバコ、ストレスなどの生活習慣、水分不足やお肉、脂っこい食事などの食習慣などの影響によってなります。
そこで、運動をする、タバコを止める、水分をしっかりとる、脂っこい食事やアルコールを減らすなど、生活習慣や食習慣をしっかり見直して、サラサラな血液を手に入れましょう。
血液がサラサラになると、心筋梗塞や脳梗塞の予防に繋がります。

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」
35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。