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肩が痛くて上がらない!それは四十肩かも?四十肩の痛みを緩和する方法や対処法を紹介

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肩が痛くて上がらない!それは四十肩かも?四十肩の痛みを緩和する方法や対処法を紹介
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

なんだか肩が重だるい、最近痛みがある…このような場合真っ先に頭に浮かぶのが「四十肩」ではないでしょうか。

四十肩は放っておけば治る、大した病気じゃないと思われがちですが、放置していると症状が悪化し治るまでにかなりの年月がかかることもあります。

ここでは四十肩の症状や対処法についてお話ししますが、四十肩ではなく他の病気の可能性もありますので、急激な痛みがある場合や痛みが続く場合には必ず医療機関を受診しましょう。

四十肩の主な症状と他に考えられる肩が痛む2つの原因

四十肩の主な症状と他に考えられる肩が痛む2つの原因

40歳を越えて、肩が痛むと「もしかして四十肩かな?」という思いが頭をよぎりますよね。

しかし、四十肩とは何なのかと聞かれるとわからない方も多いのではないでしょうか。
四十肩と五十肩はほとんど同じようなもので、40~50代の人に起こりやすいことからこのように呼ばれています。

老化や疲労、姿勢の悪さが原因となっており、病院では「肩関節周囲炎」と診断されるものです。

四十肩の主な症状

  • 腕を水平に保つのが辛い
  • 肩を動かすときに痛みがある
  • 腕を外側に回す動作をするときに特に痛みを感じる
  • 肩を下にして寝ると痛みがある
  • 拘縮があり肩を上げられない

時間の経過とともに自然に治る場合もありますが、適切な対処をしないと後遺症が残ることもあります。
また、四十肩ではなく他の病気の可能性もあるので、自己判断は禁物です。

狭心症や心筋梗塞などの内臓系の病気の場合にも、肩が痛むことがあります。

狭心症や心筋梗塞以外で、四十肩に似ている症状を引き起こす病気には「腱板断裂」「石灰沈着性腱板炎」があります。
ここでは四十肩とこれらの病気の見分け方についてお話します。

骨と骨をつなぐ腱が切れて肩が痛くなる病気:「肩腱板断裂」

肩腱板断裂とは、いわゆる「筋が切れてしまった」状態で、骨と骨(上腕骨と肩甲骨)をつなぐ腱が切れる病気です。

発症時は腱の裂けが小さいことが多く、自覚症状が乏しいことも多いです。
そのため、治療をしないまま腱がどんどん裂けていき症状が悪化する、といった経過をたどる方が多いのも特徴です。

四十肩と肩腱板断裂を自分で見分けるのはとても難しく、病院でレントゲンを撮ってもわからないことがあるほどです。
転んだりぶつけたりしたときの強い衝撃で腱板が断裂する場合もありますが、普段の生活をしていても自然に断裂する場合があるので、いつから発症したのかわからないこともあります。

しかし、早期に適切な治療を受けるためにちょっとした違いを知っておくことも大切です。

肩腱板断裂の症状

  • 一年以上痛みが続いている
  • 関節の拘縮がないことが多い
  • 腕を挙げても力が抜ける
  • 肩を動かすとジョリジョリと音がする
  • 寝返り時に激しい痛みがある・痛みで眠れない

などがあります。

肩腱板内に石灰分が溜まり肩が痛くなる病気:「石灰沈着性腱板炎」

肩腱板内に石灰分が溜まることによって引き起こされるのが石灰沈着性腱板炎です。
はっきりとした原因はよくわかっていませんが、水分不足(脱水状態)だと発症しやすい傾向にあります。

この塊が滑液包内に漏れ出すことで、腕を動かすことができないほどの激痛が走ります。
四十肩や五十肩と同じく40~50代の人に多く発症し、男性より女性に好発します。

症状が軽いうちは、年齢や痛む場所から「四十肩だ」と思う人も少なくないと思いますが、そのうち治るだろうと放置していると、症状が悪化し筋肉が拘縮することがあります。

石灰沈着性腱板炎の症状

  • 激しい運動や無理な動きをしていないのに痛みが発生した
  • 突然激しい痛みに襲われた
  • 激しい痛みで肩を挙げることすらできない
  • 腕に触れるだけで激痛がある痛みが激しく数日間眠ることができない
  • レントゲン撮影で腱板部分に石灰沈着が見られた

などがあります。
自己判断は難しいですし、適切な治療が必要です。
少しでもおかしいと感じたら医療機関を受診しましょう。

3つ病期によって違う四十肩の症状と対処法

3つ病期によって違う四十肩の症状と対処法

四十肩の病期は大きく3つに分けることができます。
病気によって対処法が違ってきますので、間違ったケアをしないように注意しましょう。

安静が第一!肩の痛みが強い【急性期】

《症状》
急性期=炎症期です。
肩の重苦しさを感じるようになり、ある時から痛みを伴うようになります。

肩の「ぎっくり腰」のようだと例える人もいます。
安静にしていても痛みがある・寝返りをすると激しい痛みを伴うというのがこの時期の特徴で、肩の痛みに伴い関節の可動域が制限され、痛みが強くなるにつれて肩を動かすことが困難になっていきます。

激しい痛みは数日で治まる方がほとんどですが、炎症は2週間~1カ月程度続きますので、この時期には無理をしないようにしましょう。

《対処法》
強い痛みのある数日間は、安静が第一です。
無理に肩を動かす動作や重い荷物を持つなど、肩の痛みを誘発する動きは避けるようにしましょう。

無理をすることで炎症が増し、痛みが強くなったり治りにくくなったりすることもあります。
痛みが治まってきたら日常生活動作は積極的に行い、関節が拘縮しないように心がけましょう。

この時期は患部に炎症が起こり熱を持っていることもありますので、このような場合は氷水や冷湿布で冷やします。
過度に冷やすと筋肉が硬くなる可能性もあるため、炎症が治まったら冷やすのをやめましょう。

ポイント
①安静第一
②肩へ不可が掛かることは避ける
③痛みが治まったら、関節の拘縮を防ぐ為に無理なく動かす

無理のない程度に運動を!炎症が治まってくる【慢性期】

《症状》
慢性期=拘縮期です。
安静時の痛みはほとんどなくなりますが、夜間の痛みは消失していない場合もあります。
また、炎症は治まっても腕を思いっきり伸ばしたり、動かしたりすると痛みを感じることが多いです。

急性期の炎症が原因で筋肉が萎縮して硬くなっているため、肩や腕を動かしにくいといった不自由さを感じるのがこの時期の特徴です。
このような状態は6カ月~1年ほど続く場合が多く、日常生活を送る上でストレスを感じることも多いと思いますが、病期に合った対処を心がけましょう。

《対処法》
あまり動かさないでいると筋肉の萎縮が徐々に進み、可動域がどんどん制限されていきます。
運動時には痛みを伴うと思われますが、血行を良くするストレッチや運動を無理のない程度に行います。

痛みがあることから「あまり動かさないほうが良い」「冷やしたほうが良い」と思われがちですが、急性期と同じ対処を続けていると、症状が悪化したり治りづらくなったりすることもあるので注意しましょう。

慢性期の場合は、冷やすと血行が悪くなり症状が悪化する可能性もあるので、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、温湿布で温めたりして血行の改善を意識しましょう。

ポイント
①無理のない程度に肩のストレッチや運動をする
②お風呂や温湿布で温めて血行の改善をする

積極的なリハビリを!可動域が広がる【回復期】

《症状》
運動時の痛みが徐々になくなり、日常生活や運動の制限が解消されてくる時期です。
痛みがなくなり動かしやすくなることで「四十肩が治った」と感じますが、無理な動きをしたり激しい運動をしたりすると翌朝に痛みが現れることもありますので、注意しましょう。

回復期は1年ほど続く場合が多いですが、それよりもっと長い場合もあります。
適切な治療やリハビリをせず5年以上も症状が残ってしまったというケースもあるので、回復期にも気を抜かないようにしましょう。

《対処法》
「治ったからもう大丈夫」と思いリハビリをしないでいると、四十肩が治ったとしても肩の可動域がどんどん狭くなってしまいます。
ですから、慢性期よりももっと積極的にリハビリを行うことが重要になってきます。

可動域を広げるための運動を継続して行うことで、快適な日常生活を取り戻しましょう。
慢性期には温めることが効果的でしたが、この時期も冷えには要注意です。寒いときにはストールを巻くなどして肩を冷やさないように心がけましょう。

ポイント
①もう治ったと油断をしない
②可動域を広げるための運動をする
③肩を冷やさないようにする

こんな人は要注意!四十肩になりやすい人の特徴

四十肩になりやすい人① 肩をよく使う人

四十肩になりやすい人① 肩をよく使う人

四十肩になりやすいのはその名の通り40~50代の人で、五十肩とも言われます。
これは、肩周辺の組織が加齢によってもろくなっているのが原因と言われています。

誰にでも起こり得る可能性がありますが、この年代の人が必ずしも発症するという訳でもありません。
また20~30代で発症する人も少なくないのが現状です。

肩関節は動く範囲が大きく、肩の骨や周りの組織に負担がかかるため、仕事やスポーツなどで日常的に肩を使っている人は四十肩を発症しやすいと言われています。

四十肩になりやすい人② 運動不足の人

四十肩になりやすい人② 運動不足の人

逆に、あまり肩を使うことがなく運動不足になっている人が無理に肩を使うことが原因の一つでもあります。
デスクワークなどでじっとしていることが多い人やあまり運動をしない人は、慣れない動きや急激な動きをすることによって四十肩になることがあります。

四十肩になりやすい人③ 糖尿病の人

四十肩になりやすい人③糖尿病の人

糖尿病の人は、血糖コントロールがうまくできずに血糖値が高い状態が続くと、肩腱板の損傷部分に血行不良が生じ四十肩になりやすいと言われています。
アメリカの糖尿病協会によると、糖尿病の人の10~20%が四十肩を患っているとの報告もあります。

四十肩になりやすい人④ 姿勢が悪い人

四十肩になりやすい人④ 姿勢が悪い人

姿勢が悪く肩甲骨の位置がずれている人や猫背になっている人は、肩が硬くなっているために思うような動きができない場合があります。
このような状態で無理な姿勢をとったり激しい運動をしたりすると、肩を痛める原因になり、四十肩を発症することがあるのです。

【回復期におすすめ】四十肩の痛みを和らげる運動方法!

四十肩の慢性期回復期には、肩の可動域制限を増長しないためにも積極的に動かすことが重要だとお話ししましたが、無理な動きや間違った動かし方には注意が必要です。

また、急性期は安静が第一ですので、三角巾やアームスリングを使って腕をあまり使わないようにしましょう。
夜間痛には、枕の高さを調整したり、痛みのある側を上にしたりして対処しましょう。
ここで紹介する体操やストレッチは、急性期を過ぎてから行うようにしてください。

四十肩の痛みを和らげるストレッチ① 振り子運動

用意するもの

必須
1kgほどのおもり
1

おもりを持つ

痛まない側の手を机などについて体を支え、痛む側の手に1㎏ほどのおもりを持ちます。体は少し前かがみになる感じで大丈夫です。

2

前後左右に振る

おもりを持っているほうの腕の力を抜き、前後・左右に痛みのない範囲で振ります。それぞれ5~10往復ほど行いましょう。

ポイント
痛みがある場合はおもりを持たなくても大丈夫です。
動かすときは肩や腕に力を入れず、振り子のようにゆっくり動かすのがポイントです。
痛みがなければ範囲を広げていきましょう。

四十肩の痛みを和らげるストレッチ② タオル体操

用意するもの

必須
少し長めのタオル
1

タオルを背面で持つ

タオルを背中側に持っていき、上の手は頭の後ろ、下の手は腰の後ろ辺りで持ちます。

2

タオルを垂直に動かす

背骨の上を動かす感じで、5~10往復ほどタオルを垂直にゆっくりと動かします。

ポイント
タオルは少し長めのフェイスタオルや手ぬぐいなどを使うと良いです。
反動をつけず、ゆっくりと動かすことがポイントです。
ふらついてしまう場合は座って行っても大丈夫です。

【誰でも簡単】四十肩をストレッチで予防する方法

四十肩の予防には、日常生活の見直しがとても重要です。
同じ姿勢を長時間続けないことや、適度な運動、バランスの良い食生活、質の良い睡眠、肩を冷やさないなどの生活習慣を心がけましょう。
ここでは併せて行いたい簡単なストレッチ方法を紹介します。

四十肩予防① 猫背改善ストレッチ

1

足を肩幅に開いて立つ

足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、肘を伸ばして手を体の後ろに回します。

2

腕を上に挙げる

痛くない程度にそのまま腕を上に挙げ、内側にひねるように回します。

3

5回繰り返す

これを5回繰り返します。内側に入っている肩を後ろに戻すよう意識しましょう。

四十肩予防② 肩甲骨ほぐし

1

足を肩幅に開いて立つ

足を肩幅より少し開いて立ち、椅子から少し離れた位置から前かがみになるように両手を背もたれに置きます。

2

背中を丸める

顔を下に向け、背中を丸めます。

4

背中を反らす

顔を前に向け、背中を先ほどとは逆に反らします。気持ちの良い程度に反らせたまま5~10秒ほどキープします。

3

5回繰り返す

硬くなっている肩甲骨をほぐすイメージで行います。

まとめ【四十肩の放置はだめ!正しい対処法と予防が大事】

今回は、四十肩の症状や対処法、他の病気との見分け方についてについてお話ししました。

四十肩の特徴や予防法を頭に入れておき、正しい対処をして、40代、50代になっても健康で快適な生活を送りましょう。

  • 四十肩だと思っていても、他の病気の可能性もあるため注意しましょう。
  • 急性期には安静にし、痛みや腫れがある場合は冷やしてください。
  • 慢性期は無理のない程度に運動やストレッチを行い、肩を温め血行を良くしましょう。
  • 回復期には積極的に肩を使うようにし、肩を冷やさないように心がけましょう。
  • ストレッチや運動は四十肩の予防に繋がります。
  • 痛みが強い場合や長く続く場合は、医療機関を受診しましょう。

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