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【おたふく風邪の注意点】おたふく風邪になったら合併症に気をつけよう!

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【おたふく風邪の注意点】おたふく風邪になったら合併症に気をつけよう!
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

「おたふく風邪」と聞くと子どもがかかる病気、というイメージがあると思います。

発熱して耳下腺が腫れてくるのが主な症状です。

発症から1〜2週間ほどで引けてくるのでそこまで重症な病気ではありませんが、ごくまれに合併症を起こす場合があります。

小さなお子様がいらっしゃる親御さんにとっては気になりますよね。

今回は、おたふく風邪の原因や、おたふく風邪が発症した時の正しい対処方法についてご紹介します。

【おたふく風邪】普通の風邪とおたふく風邪との違いは?

【おたふく風邪】普通の風邪とおたふく風邪との違いは?

おたふく風邪の特徴を知ろう!

おたふく風邪の正式名称は「流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)」です。

耳の下に位置する唾液腺の耳下腺、顎下腺にウイルスが感染することで腫れてきます。

腫れた状態がおたふく面のように丸々としていることから「おたふく風邪」と言われています。

おたふく風邪の発症時期を知ろう!

おたふく風邪は4〜6歳の時期に多く発症し、毎年数十万人単位の多くの感染者が報告されています。

インフルエンザや手足口病などの感染症は、夏や冬で流行時期が限られていますが、おたふく風邪は流行時期が限定できない感染症と言われています。

時期や季節関係なく感染の可能性があるため、事前に予防策を立てておくことが重要です。

おたふく風邪と風邪の違いを知ろう!

おたふく風邪の症状は、発熱や喉の痛み等一般的な風邪の症状と似ています。

明らかな違いは耳下腺や顎下腺の腫れですが、ムンプスウイルスの感染には個人差があり症状がそこまで強く出ない人もいます。

感染しても症状が出ず健康に見える状態を不顕性感染(ふけんせいかんせん)と言います。

この場合が全体の約30%を占めるので、風邪の症状との区別がつきにくいことも珍しくありません。

【おたふく風邪の原因】ウイルスは人から人へ移るの?

【おたふく風邪の原因】ウイルスは人から人へ移るの?

おたふく風邪の原因とされているの「ムンプスウイルス」と呼ばれる感染力の高いウイルスです。

ムンプスウイルスの感染経路は、飛沫感と接触感染です。

ムンプスウイルスが体内に侵入してから症状が出始めるまでの潜伏期間と呼ばれる期間は2〜3週間と言われています。

非常に感染力の強いウイルスですが、一度感染すると生涯通しての免疫(終生免疫)を獲得するため、二度と感染することはありません。

【おたふく風邪の症状】熱が出て顔が腫れてくる!?

【おたふく風邪の症状】熱が出て顔が腫れてくる!?

それではおたふく風邪の症状について説明します。

2〜3週間の潜伏期間を経て以下のような症状が出始めます。

【おたふく風邪の症状】発熱

38℃以上の高熱が出るとともに、頭痛や吐き気などの症状が出ます。

初期症状として頭痛や倦怠感が多いため一般的な風邪と区別がつけにくいことが多いです。

【おたふく風邪の症状】耳下腺、顎下腺、唾液腺の腫れ

おたふく風邪の特徴的な症状です。

耳下腺は左右対称に腫れて痛みを伴います。

体内に侵入したムンプスウイルスは喉や首などに存在するリンパ節で増殖し、全身に広がります。

唾液腺が腫れてくると食べ物を飲み込む時に痛みを感じます。

多くの場合はこれらの症状は1〜2週間で改善し軽くなりますが、ごくまれに合併症を引き起こすことが知られています。

【おたふく風邪の合併症】どんな合併症が起こる?

【おたふく風邪の合併症】どんな合併症が起こる?

おたふく風邪は他の感染症に比べると、以下のような合併症を引き起こす可能性が高くなります。

【おたふく風邪の合併症】無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)

合併症の中で一番多いのが無菌性髄膜炎です。

症状の程度は分かれますが、全て含めると全体の約10%の割合で起こります。

主な症状は頭痛や発熱、嘔吐、首の後ろの硬直です。髄膜炎の症状がなくても髄液の検査で数値に異常が出る場合もあります。

効果的な治療法はありませんが、安静にしていれば約2週間ほどで治ります。

【おたふく風邪の合併症】難聴

予兆もなしにめまいや耳鳴り、吐き気の症状が出たら難聴が発症している可能性があります。

左右どちらか片方の耳にのみ発症することが多く、両方の耳に発症するのはかなり稀と言われています。

大人の場合は症状が出たら自覚できますが、まだ聴覚が発達しきれていない小児は難聴が起きていても気づかない場合があります。

お子さんがおたふく風邪を発症した時は、耳がちゃんと聞こえているかどうか確認してあげることも重要です。

【おたふく風邪の合併症】精巣炎

小児の時期におたふく風邪に感染せず、思春期以降に感染した場合は10〜30%の割合で起こると言われています。

急激な精巣の痛みや腫れを伴い、倦怠感や発熱も出る場合もあります。

通常おたふく風邪による精巣炎は1週間程度で治まると言われていますが、長引くと精巣内の精子に影響が出て不妊症につながる可能性があります。

子供の頃おたふく風邪にかかっていない方や、予防接種を受けていない方は注意が必要です。

【おたふく風邪の合併症】卵巣炎

女性においては卵巣炎になる可能性があり、下腹部の痛みや不正出血、発熱を伴います。

炎症が悪化すると男性同様不妊症になるリスクがあり、確率は10%以下にとどまりますが注意が必要です。

また妊娠中におたふく風邪に感染すると、妊娠初期の場合流産の確率が高くなるため、妊娠中は予防接種ができないことも考えると感染には十分注意が必要です。

【おたふく風邪の検査】おたふく風邪の検査方法を知ろう!

【おたふく風邪の検査】おたふく風邪の検査方法を知ろう!

おたふく風邪は、学校安全保険法によって「第二種感染症」に指定されていて、発症後5日以上経過し症状が落ち着いかないと登校できないと決められています。

そのため、検査をして診断を受ける必要があります。

おたふく風邪は「抗体検査」によって診断できます。

体内に存在するIgM抗体とIgG抗体を調べ規定値以上が確認できた場合に感染が判定されます。通常採血してから1〜2週間ほどで時間がかかります。

また、抗体検査するにあたっては、費用は保険適用外になるので10割負担になります。

医療機関によって費用に差はありますが、5,000〜10,000円ほどで検査が可能です。

【おたふく風邪の対処方法】おたふく風邪の対処方法を知ろう!

おたふく風邪の対処方法を知ろう!

おたふく風邪に対する効果的な治療方法や、治療薬は残念ながら存在しません。

基本的には自然治癒による回復を待つしかありませんが場合によっては、発熱や嘔吐に対する薬を服用することもあります。

実際に薬局ではあまりおたふく風邪にかかって、来局される方は見たことがありません。

おたふく風邪の予防方法を知ろう!

おたふく風邪にかからないための2つの方法について紹介します。

【予防接種】
おたふく風邪は小児の発症率が圧倒的に高いため幼稚園や保育園、学校で流行すると感染が大規模に拡散する可能性があります。

そのため、予防策として予防接種を受けることが重要になります。

現在おたふく風邪の予防接種は任意接種となっていますが不明な点も多いので紹介します。

【予防接種の時期】

おたふく風邪の予防接種は2回接種することが推奨されています。

1回の接種で抗体ができない可能性があるためです。

1歳を超えたら接種できます。

集団生活を始める前の接種が推奨されているので、1歳を過ぎたら1回目を受けることが望ましいです。

1歳過ぎと小学校入学前」が理想的なタイミングになります。

【予防接種の費用】

予防接種にかかる費用は受ける医療機関によって差はありますが、おたふく風邪のワクチン自体が約4,000円〜7,000円ほどになります。

各自治体によっては助成金が出る場合もあるので、お住いの市町村の役所窓口に聞いてみましょう。

ちなみに保険は適用されないので自費での接種になります。

【予防接種後の反応】

おたふく風邪のワクチンは「生ワクチン」と言い、原因であるムンプスウイルスの毒性を弱めたものです。

毒性は弱めてはありますが体にとっては異物扱いのため、発熱や湿疹などの副反応が出る可能性もあります。

数日経つと回復はしますが、長引いてる場合は早めの受診が必要です。

【予防接種の注意点】

妊婦さんが予防接種を受ける場合はムンプスウイルスによる流産の可能性があります。

これから妊娠を望んでいる場合は予防接種から最低2ヶ月以上は時期をあけるよう注意しましょう。

【生活上の感染リスクを下げる】

おたふく感染は序盤で説明した通り、飛沫感染と接触感染によって人から人へ感染していきます。

唾液が飛ぶ原因のくしゃみや咳をしないように、または吸い込まないようにマスクをしたり手洗いをするなど心がけることで感染リスクを減らせます。

免疫力を保つという意味では日々の食生活もバランスよく、栄養価の高いものにして、十分な休息を取り健康的な生活を心がけましょう。

大人になってからおたふく風邪にかかると何が大変なの?

大人になってからおたふく風邪にかかると何が大変なの?

子供の頃におたふく風邪にかからなかった人や、今まで予防接種を受けなかった人は大人になってからおたふく風邪に感染するリスクがあります。

大人になってから感染すると、合併症の項で説明した精巣炎や卵巣炎になった結果不妊症になる可能性があります。

子供よりも大人の感染の方が重症化しやすいので、小さなお子さんをお持ちの方は十分な注意が必要です。

合併症のリスクもあるのでおたふく風邪の経験のない方は予防接種を受けられることをオススメします。

おたふく風邪になったら合併症に気をつけよう!

おたふく風邪になったら合併症に気をつけよう!
今回は、おたふく風邪の原因や、おたふく風邪が発症した時の正しい対処方法についてご紹介しました。

一見すると風邪と同じような症状のおたふく風邪ですが、腫れを伴わない場合もあるため自己判断が難しいこともあります。

ただ1度感染していたり予防接種で免疫がついていると2度と感染を起こさないため、未受診の方は予防接種を受けることが重要です。

自治体から助成金が出る場合もあるので参考にしてみてください。

  • おたふく風邪は一般的な風邪の症状と似ているが耳下腺や顎下腺の腫れで区別できる
  • 大人になってから感染すると重症化するリスクがあるので予防接種が大切です
  • 4000〜7000円ほどで予防接種を受けられる。自治体から助成金をもらえる場合もある
  • 子供は1歳から予防接種が可能。2回の接種が推奨されている

薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

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