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食べる健康法スーパーフードとは?健康志向おすすめのスーパーフードを紹介

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食べる健康法スーパーフードとは?健康志向おすすめのスーパーフードを紹介
薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

テイコク製薬社調剤店舗「薬剤師」

35年の薬剤師キャリアを活かし、「健康を知り尽くした調剤マスター」としてテイコク製薬社の調剤業務に従事。

皆さんは「スーパーフード」という言葉を聞いたことがありますか?

名前だけをみると何かすごい力を持った食材のようなイメージがわくと思います。

スーパーフードは様々な効果を持った食品のことであり、それぞれ目的を持って適切に摂取することで健康状態を保つことができます。

健康への意識が高まる中、注目されているスーパーフードについて種類別に得られる効果、オススメの食べ方などについて今回は解説します。

今後の皆様の健康的な生活の少しでも参考になればと思います。

スーパーフードとは何?

スーパーフードとは何?
そもそもスーパーフードとは何なのでしょうか?

一般社団法人日本スーパーフード協会は次のように定義・基準を掲げています。

定義

①栄養バランスに優れ、一般的な食品よりも栄養価が高い食品であること。

あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。

②一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。

基準

(1)スーパーフードの発祥の地アメリカで、一般的に「スーパーフード」として認知・評価されている食品であること。

(2)「食歴」が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること。

それにより、人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおけるもの。

【引用】一般社団法人日本スーパーフード協会HPより

これらをふまえると、スーパーフードというのは成分の量が多い又は栄養価の高い食品であり、人体に悪影響を及ぼすことがない安全性が高い食品であるということです。

それぞれ種類ごとに様々な効果をもたらしてくれるため、悪い影響はないと言われていますが適切な量を摂取することで健康状態を維持できます。

では実際にスーパーフードでどのような効果が得られるのか、種類別に見ていきたいと思います。

スーパーフードにはどういう効果があるの?

スーパーフードにはどういう効果があるの?
スーパーフードには国産、外国産と様々存在するので、種類はかなり豊富です。

一般的にスーパーなどで販売しているものや、海外から取り寄せないと手に入らないものまで多岐に渡ります。

日本スーパーフード協会では、外国産の食品を対象とした「スーパーフード」と国産の食品を対象とした「ジャパニーズフード」に分類しています。

今回はその分類に基づいて、各種効能について説明します。

数多く存在するので、あくまで一部分でのご紹介です。

【スーパーフード】カカオ

主成分:ポリフェノール

期待できる効果:動脈硬化予防、血圧低下、美肌効果など

カカオに含まれている「カカオポリフェノール」には抗酸化作用があり、LDLコレステロールの酸化を防ぐ効果が実験に実証されています。

また血液の詰まりを改善する働きもあるため、血管をしなやかにし、血圧を低下させる効果もあります。

生活習慣病の改善だけではなく、抗酸化作用によって肌にダメージを与える活性酸素を抑制してくれます。

最近ではカカオが多めのチョコレートなども売られているので、簡単にカカオポリフェノールを摂取できるようになりました。

【スーパーフード】アサイー

【スーパーフード】アサイー
主成分:ポリフェノール、鉄分

期待できる効果:貧血予防、アンチエイジング、眼精疲労予防など

ブラジルなど南米原産の食物でブルベーリーよりもひと回り大きいくらいのサイズです。

ここ最近日本でも注目されるようになってきました。

アサイーにも抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれていますが、アサイーの最大の特徴は豊富な鉄分が含まれていることです。

なんとほうれん草の約4倍もの鉄分が含まれていることが知られています。

鉄分はビタミンCを一緒に摂取するとより効率よく吸収できます。

逆にカテキンを多く含む緑茶などと一緒だと吸収が邪魔されてしまうので、アサイーを摂取する際の参考にしてみてください。

【スーパーフード】チアシード

【スーパーフード】チアシード
主成分:α-リノレン酸、必須アミノ酸など

期待できる効果:血圧低下、中性脂肪低下

見た目はゴマのようなサイズで、日本では認知度が低いですが海外ではモデルや女優の間で人気の食材です。

チアシードに含まれるα-リノレン酸(オメガ脂肪酸)は血中の脂肪・コレステロールを抑えてくれたり、豊富に含まれているマグネシウムによって血圧を下げてくれることが証明されています。

【スーパーフード】スピルリナ

【スーパーフード】スピルリナ
主成分:ビタミン群、β-カロテンなど

期待できる効果:アンチエイジング、生活習慣病予防

スピルリナは藻類の一種であり、アフリカに多く自生し光合成します。

毎日の継続的な摂取により血圧の低下、コレステロールの低下が確認されています。

【スーパーフード】クコの実

【スーパーフード】クコの実
主成分:β-カロテン、ゼアキサンチン、ビタミンB群など

期待できる効果:抗酸化作用、生活習慣病の予防、眼精疲労など

クコの実に含まれるゼアキサンチンは、目の網膜色素の1種であり抗酸化作用を持つため、視力回復の効果があります。

また脂肪肝や血糖値が高い方に低下作用が確認されています。

【スーパーフード】ブロッコリースーパースプラウト

【スーパーフード】ブロッコリースーパースプラウト
主成分:スルフォラファン

期待できる効果:ガン予防、アンチエイジング、ピロリ菌除菌効果

ビタミンやミネラルなど、その名の通りブロッコリーと同じ成分を一通り持っていますが、明らかな違いは抗酸化作用を持ったスルフォラファンの含有量です。

ブロッコリーに比べてスルフォラファンが約7倍含まれています。

スルフォラファンが持っている解毒作用によってガン予防につながり、また抗酸化作用によって美肌効果などが期待できます。

またピロリ菌に対しても除菌効果が認められている数少ない食材です。

スーパーなどで簡単に手に入るため、有用性も高いです。

【スーパーフード】キヌア

【スーパーフード】キヌア
主成分:ビタミン・ミネラル全般、サポニン、フィトエストロゲンなど

期待できる効果:骨粗鬆症

キヌアはビタミンやミネラルがバランスよく数多く配合されており、食品では珍しく葉酸が含まれています。

女性ホルモンと似たような働きをするフィトエストロゲンが含まれているので女性の骨粗鬆症にも効果があります。

【スーパーフード】マカ

【スーパーフード】マカ
主成分:必須アミノ酸、鉄分、カルシウムなど

期待できる効果:滋養強壮、疲労回復、血行促進など

よく栄養ドリンク剤として販売されていますが、キャベツなどアブラナ科の仲間であり、根の部分を粉末にして摂取します。

男性の精力増強のイメージも強いですが、女性に対しても美肌効果などうれしい効果がたくさんあります。

【ジャパニーズスーパーフード】発酵食品

【ジャパニーズスーパーフード】発酵食品
発酵食品(納豆、梅干し、味噌など)

日本には様々な発酵食品がありますが、中でもよく口にする納豆や梅干し、味噌を例にとって説明します。

発酵することで菌が増殖し、その結果うまみが増し長期保存が可能になります。

梅干しにはクエン酸やりんご酸が含まれ、疲労回復などに効果があります。

またカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にします。

納豆に含まれるナットウキナーゼは血液をサラサラにする効果があります。

味噌に含まれる大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た効果が期待でき、大豆レシチンはアンチエイジング効果を担っているとされています。

【ジャパニーズスーパーフード】海藻類

【ジャパニーズスーパーフード】海藻類
日常的に食べる機会が多い海藻類にも多くの成分が含まれています。

海苔には必須アミノ酸、ビタミンC食物繊維が豊富に含まれており健康状態を保つのに役立っています。

昆布にはアルギン酸、フコイダンという食物繊維が多く含まれるのでデトックス効果が期待できます。

【ジャパニーズスーパーフード】お茶

【ジャパニーズスーパーフード】お茶
お茶は日本特有の飲み物ですが、その豊富な栄養成分に対し海外からは注目を浴びています。

緑茶にはビタミンB、C、Eのビタミンやミネラル分、カテキンも豊富に含まれています。

カテキンには血圧の上昇を防ぐ働きや血糖値調節、コレステロール調節、抗酸化作用など健康面において重要な働きが備わっています。

日本茶が海外から注目されている大きな理由だと思います。

【ジャパニーズスーパーフード】伝統食品

【ジャパニーズスーパーフード】伝統食品
大豆にはサポニンが含まれています。

サポニンには脂肪の蓄積を防いでくれる効果があり、さらに大豆サポニンに含まれるアディポネクチンという成分には脂肪燃焼を促してくれる働きがあるため、大豆食品を積極的に摂取することは結果的にダイエット効果につながります。

大豆だけだとなかなか難しいですが、豆腐など大豆製品も含みますので無理なく健康維持を進められると思います。

【ジャパニーズスーパーフード】ITはなびらたけ

【ジャパニーズスーパーフード】ITはなびらたけ
日本スーパーフード協会からも日本初「ジャパニーズスーパーフード」に認定されたITはなびらたけは、ハナビラタケ特有のβ-グルカンだけでなく新たなサイレント型エストロゲンという成分の働きを持っています。

サイレント型エストロゲンとは癌化しにくい(サイレント)エストロゲン、すなわち女性らしさをもたらしてくれる女性ホルモンを食品から摂取できて、癌化しにくいという利点を持っています。

なお、ITというのはこの品種を開発されたメーカー様の頭文字です。

スーパーフードを食べる時の際の注意点

スーパーフードを食べる時の際の注意点
様々なスーパーフードとそれぞれの効能について説明しました。

身近な食品にすばらしい栄養素が含まれているので、少し意識するだけで簡単に摂取することが可能です。

しかし、食べ方を間違えると栄養素が逃げ出したり、効果が弱くなることがあります。

スーパーフードの効果を損なわずに効率よく体に吸収するための食べ方の注意点について説明します。

まちがった調理法はスーパーフードの栄養を逃がすので注意!

食品によっては熱を加えたりすると成分が変性する可能性があるものも存在します。

煮る、焼く、揚げる、蒸すなど様々な調理法があり、おいしくなりそうな調理法でも熱に弱い成分だと高い栄養素が失われてしまう場合もあるので、生のまま摂取した方がいいものは極力そのままいただきましょう。

また水洗いする場合も水に濡らしたほうがいい場合、濡らさないほうがいい場合があります。

栄養素の中には水に溶けてしまいやすいものもありますので煮、茹でるなどの調理法を取る場合も注意が必要です。

実際に例をいくつか紹介します。

【例1】キヌア

キヌアという食材は表面にサポニンが付着しているので、調理前にしっかりと水洗いすることが重要です。

サポニンが残ってると苦味を感じることがあるので、不要なものは調理の段階でしっかりとなくしてあげましょう。

サポニンは水に触れると泡立つため、泡立ちがなくなるまでが水洗いの目安です。

なくなるまで何回か行いましょう。

【例2】チアシード

チアシードは水に浸けておくと水分を吸って膨らむので、使用量には注意が必要です。

食べる量に対して約10倍の量の水に浸しておいて、膨らんでとろみが出てきたらお好みの食べ方でいただきましょう。

温度は熱すぎず冷たすぎず、10~40℃で約半日つけておくと食べごろになります。

準備に時間がかかりますが美味しく食べるために是非参考にしてみてください。

スーパーフードの食べ過ぎはお腹が緩くなることも!

スーパーフードの食べ過ぎはお腹が緩くなることも!
生活習慣病予防や美肌効果、ダイエット効果など様々な効果をもたらしてくれるスーパーフード ですが

多く摂取すればいいとうわけではありません。

例えばカカオなど食物繊維が豊富に含まれている食材をたくさん摂取しすぎると、お腹がゆるくなってしまうこともあります。

多く食べすぎてカロリーオーバーになってしまうのもなんの意味もありませんので、摂取のし過ぎにも注意が必要です。

スーパーフードは食べる自然の健康サプリです!

スーパーフードは食べる自然の健康サプリです!

  • スーパーフード とは栄養バランスに優れ、栄養素の多く含まれる食品のことです
  • 食品とサプリメントの中間に位置し、摂取することで健康維持のために効果を得られる
  • 調理法によっては栄養素を損なってしまう可能性がある
  • 様々な効果をもたらしてくれるが、多く摂取すればいいというわけではなく適切な量の摂取が望ましい

医薬品でもなくサプリメントでもない、食品であるという点がスーパーフード のいいところなのではないかと考えます。

生活習慣病を抱えている方は多く、肌の悩みやダイエットに関して気になる方も多くいらっしゃると思いますが、病院に行ったりサプリメントを買って飲むというのはハードルが高い部分もあります。

食品であれば気軽に試してみようという気になれますし、おいしく調理できれば継続することも難しくないと思います。

みなさん自身が健康面に意識を向けると、健康的な社会が形成されていくのではないかと考えます。

薬剤師「伊東」
記事の監修 伊東 和子(いとう かずこ)

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